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「走りながら考える」為末大著 ダイヤモンド社

著者の為末大氏は、元陸上競技選手である。
世界大会において、トラック種目(400メートルハードル)で日本人初となる2つのメダルを獲得し、3大会連続オリンピックに出場した。
そして、男子400メートルハードルの日本記録保持者(2012年10月末日現在)である。

2012年夏に25年の競技人生に幕を閉じた為末氏だが、勝ってきたというよりも、必死に生き抜いてきたという感じと自身を振り返っている。

私がとくに心に刺さったのは以下の部分である。

置かれた状況に関係なく、自分の全力を出しきっておくこと、そのことが後悔を整理することや、物事をきっぱりと終わらせるためにもすごく重要な気がしている。


厳しい勝負の世界に身を置いていた為末氏の言葉だけに説得力がある。

また、大事なのは自分で切り開こうという意志だと述べていて、もう本能なんだろうなと思った。

人として成長することについては、「今はこんなものでしかない自分」をちゃんと認めて、それでも前を向き続ける人が成長できる人なのだと思うそうだ。

怖がらず、現実と向き合い、時には目標を下げながらも、現時点での全力を尽くすというのは参考になった。

成功の鍵については、その状況に自分がうまくハマれば勝ちやすいという法則以外に、自分がそのことに無我夢中になれるかどうかにもかかっていると述べている。
「苦しさ」や「一生懸命」「必死」でやっている人は、「無我夢中」「リラックスした集中」でやっている人にはどうしたって勝てないという。
なんだかわかる気がする。
時間を忘れるくらい一つのことに没頭して、それを楽しんでいる人は確かに強い。

キツく辛いもので、やってもやっても終わらないと感じていた練習も、「必ず終わりがくる」という感覚になると、辛さ度合いも変わり、残された時間の使い方も変わってくるという部分は納得だ。
今を大事にしたいと思った。


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走りながら考える

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