著者のキングカズこと三浦知良選手はサッカー界のレジェンドとも呼べる存在で、現在はJ2の横浜FCに所属している。
この書は「サッカー人として」というタイトルで日本経済新聞に隔週で連載しているコラムをまとめたものになる。
まず印象に残った言葉が「僕はサッカーを生きている。」という言葉だ。
すべてをサッカーから学んできた男のまさに人生そのものなのかもしれない。
これまでの28年間、自分のスタイルを変えることなく、かつ変えるべきところは変えながら歩んできたという。
後ろは振り向かずに、昨日でも明日でもなく、「今日」しか目に映らないそうで、これはまず目の前のことをしっかりやるということを教えられた気がする。
ベテランとなったときに誰もが考えることとしては次の言葉を紹介したい。
若いときは量をこなしたことが自信になり、時間と量を費やしただけ得るものがある。でも10代や20代のころとは違う自分になり、根性や体力一辺倒で通せなくなったとき、人は考える。質の高さに気づく。量を増やすことは目に見えるからやりやすさがあるけれど、質を高めるのは単純でなく難しい。
次にプロとは何ぞやという言葉を紹介したい。
数字を残すのがプロ。数字を表せないものを表現するのもプロ。僕は数だけにとらわれて生きたくはない。
スポーツ界も一般社会も求められるものは同じだなと思った。
そして、この書を読んでとくに感じたのが、我々サッカーを見る側はゴールばかりに目を向けがちだが、毎日のトレーニングの積み重ね、その凄みももっと知るべきだね。
最後に「学び続ける人間でありたい」とカズ選手は言っていたが、これは私もそう思う。
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