SOMPO美術館

SOMPO美術館は、新宿駅西口より徒歩5分の損保ジャパン本社ビル敷地内の美術館棟にある。

「生誕100年 山下清展-百年目の大回想」が2023年6月24日から9月10日まで開催されている。
生誕100年を記念する今回の展覧会では、代表的な貼絵の作品に加えて、子ども時代の鉛筆画や後年の油彩、陶磁器、ペン画などが展示されていた。
5階→4階→3階の順で観覧していった。

どの作品も可愛らしい作品ばかりで純粋な人柄がよくあらわれていた。
そして、スケッチやメモを取らずとも、旅先で見た風景を細部まで正確に思い出せる記憶力はとにかくすごいと思った。
近くで作品をよく見てみると、緻密さがよくわかる。

貼絵はとにかく素晴らしい。

「上野の地下鉄」では、日本で最初の地下鉄の銀座線が描かれていて、浅草行という表示やホームの人たちの様子など1937年(昭和12年)当時のことを残した貴重な作品である。

学園生活の中の一コマである「ともだち」(1938年(昭和13年))では、うつむく女の子の右腕を勇気づけるかのように握りしめる男の子の様子は、とても温かみがあった。
古い切手を材料に使っていて、その描写が絶妙だった。

代表的な作品の「長岡の花火」(1950年(昭和25年))では、夜空と信濃川の水面に輝く華やかな長岡の花火の一瞬がとらえられている。
きれいな花火と観衆がまるでその場所にいるかのようにずっと見ていても飽きない。

また、山下清はヨーロッパのいろんな場所にも出掛けていて、より作品の美しさが増していった感じがした。