本書では「聞く力」をつける「スキル」と「マインド」を中心に、著者の櫻井弘氏自身のエピソードも盛り込んで解説している。
図解も盛り込まれているので理解しやすいと思う。
櫻井氏は、相手が出す聴覚情報、視覚情報、言語情報、語調、態度、振る舞いなどを見聞きしたうえで、これらを自分のフィルターにかけて判断していかなければならないと述べている。
このフィルターにあたるのが、「聞く力」で、フィルターの目の大きさや細かさ、形はみんな違うので、それを理解し、さまざまな大きさ、形のフィルターを通して相手との違いを受け入れ、歩みよっていく気持ちが大事なのだという。
人の話を聞くことの意味は、自分の話のきっかけをつかむことではなく、正確に聞き取って、その後の対応を間違えないことだそうで、何か勘違いしている人もいるのではないだろうか。
相手からどんどん話を引き出したいときは、初対面の場合、「相づち」が非常に有効なツールになるそうだ。
相づちには6つの種類があるということで、紹介しよう。
転換 「ところで」「そういえば」「話は変わりますが・・・・・・」
整理 「つまり」「要するに」「一言でいうと・・・・・・」
同意 「なるほど」「そうですね」「たしかに」
共感 「ご心配でしたでしょう?」「あなたのお気持ち、わかります」
驚き 「へぇ~」「そうなんですか」「さすが」
「聞く力」をつける質問力としては、理解を促すのか、関係形成を目指すのか、相手を動かすのか、反対意見を述べ可能性を追求するのかと目的を考えれば、何をどう質問したらいいのかが具体的になるという。
相手との関係性や場を踏まえた、ある程度の順番はあるが、曖昧な質問は意味をなさないのは納得である。
質問は「何のためにするのか」ということを頭の中に入れておきたい。
人は自分の話をしっかり聞いてくれる人に好感を抱くのは同意で、また会いたくなるものである。
よい聞き方ができれば、同じ相手との時間でもより濃厚になるということ。
知識も増え、自分の知識と連動させることによって新たなアイデアも生まれ、一人の知恵だけではできなかったことも、知恵を合わせることで不可能が可能になることもあるので、いいことづくめだと思った。
Amazon
![]() |