本書は社会派ブロガーちきりん氏が2005年から書いてきた「Chikirinの日記」の運営記と、10年分のブログの中から選んだベストエントリ集を合わせたものになっている。
ちきりん氏は、「私の考えたことに興味を持ってくれる人がいたら嬉しいな」という程度に考えてブログを書き始めたそうだ。
また、ブログを始めるにあたり、どこのサービスを使おうかとあれこれ比較した結果、はてなダイアリーのブログサービスを選んだのは、他社と比べて画面がシンプルで、文章が読みやすそうだったのと、日付がわかりやすいことが決め手になったという。
私はヤプログを選んだのは、操作画面のシンプルさと記事のURLが番号順に積み上がっていくので何記事書いてきたのかひと目でわかりやすい点にある。
次にちきりん氏が独自ドメインにこだわらない理由として、個人が趣味で書いているブログにおいて、URLがそこまで信頼性に影響するとは思えないことと、広告のコントロールも、月々数百円の有料ブランに入れば可能だし、これ以上広告を増やしたいわけでもないということ。
一方、独自ドメインを使用すると、ドメイン維持やサーバーのレンタル費用など、今より経費が高くなり、ソフトのアップグレードや新機能への対応、データのバックアップなども、個人で行う必要が出てくると述べている。
これらには全く同意である。
人気のWordPressだが、プラグインやテーマは安全なものを選んで、常に最新バージョンを保たないと、ハッキングされる危険性がある。
文章については、スラスラ読めるよう、音読感の良い文章を心がけているそうで、これは見習いたい。
気になるちきりん氏がブレークしたきっかけは、2008年の半ば、ブログを書き始めてから3年ほど経った頃、はてなブックマークが大量に付けられるようになってからアクセス数も急拡大。
その後はツイッターの伝播力が急拡大し、瞬く間に広範囲に拡散されるようになったという。
このような2段階を経て人気化に加速がついたのだった。
人気が出るようになると、ちきりん氏はブログ運営のゴール設定をし、価値あるメディアに育てたいと、何らかの共通点を持って、読者が絞り込まれているメディアを目指すようになる。
自分メディアとしてちきりん氏は、「ネット上にコンテンツを散逸させない」「すべての価値あるコンテンツは、自分のブログに集める」というルールを、かなり厳密に守ってきたと述べている。
そして、メルマガや個人サロンはやらず、ブログというオープンな場所に居続けるという。
アクセス規模こそ違えど私も同じ志向だ。
ちきりん氏は、2013年4月にはアクセス月間220万PVまで上げている。
全体を通して、私は今のブログを始めて5年だが、ブログを書き続けている人の話や戦略は大変興味深かった。
そして、ネットの情報ばかりにとらわれることなくバランスを持って、気軽にブログ運営を続けていきたい。
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