モバメモ

ドコモのモバイル情報をメインとしたブログです。カフェ巡りも好きです。

「「面白い」のつくりかた」佐々木健一著 新潮新書

著者の佐々木健一氏は、テレビディレクター・ノンフィクション作家である。

佐々木氏は最初に「面白いとは、差異と共感の両輪である」と述べている。
あらゆるコンテンツを語る上で、この相反する概念がどちらか一方だけでなく、共存することでより深い共感が得られると捉えているのだ。

私たち人間の営みそのものが、差異と共感の両輪の上に成り立っていて、人は差異という刺激を受け、自分に変化を加えながら成長し、価値観や世界観を広げてより多くのものに共感できるようになっていくというのは確かにあると思った。

多くの人の心を揺さぶる作品も、何らかの差異によって視聴者に新たな気づきを与え、モノの見方を広げ、それまで異質と捉えていたものを許容し、より深い共感へと導くプロセスを巡るものではないだろうかとも書かれていて、作品作りの奥深さを感じる。

佐々木氏は「企画やアイデアは組み合わせから生まれる」と述べている。
組み合わせというのは、必ずしも足し算や引き算ばかりでなく、何かを制限したり、省いたりする引き算の組み合わせもあるという。

番組制作で、単純に「分からない=面白くない」と言い切れなく、「分からない要素」が適切に配置されていることが視聴者の興味や関心を呼び、物語に引き込んでいく面があるのはわかる。
あまりにも分かりやすくばかりだと物足りない。

また企業や研究機関は、クリエイティブな人材を育むために重要なことは、「取り組む本人が面白いと思うものに、自由に取り組む環境を整えること」とあり、そう願いたい。

佐々木氏は受動メディアたるテレビの本分は、当然のことながら「良質な番組を視聴者に送り続けること」以外になく、テレビはその原点に立ち返り、自身の強みを最大限に生かしながら、ネットメディアとの差別化を図っていくことが今後より一層、重要になると述べている。
能動メディアであるネットとは逆に受動メディアのテレビはたまたまつけたら面白かったという場合もある。
これからも偶然の出会いを楽しみたいと思った。

 Amazon 

「面白い」のつくりかた (新潮新書)

Copyright © 2011-2025 Mobamemo All Rights Reserved.