私が「広く弱くつながって生きる」の本を手にしたのは、先月5月8日に八重洲ブックセンターで行われた刊行記念トークショーの時で、著者の佐々木俊尚氏には初めてお会いして、サインもいただいた次第である。

この書は全5章で構成され、読んでいくうちに固定の同調圧力による強いつながりから逃れ、いくつもの弱く緩いつながりを持つことのほうが楽しいだろうなと感じずにはいられないだろう。

佐々木氏は毎日新聞記者時代、深く、狭く、強い人間関係に身を置いていた。
その後、「月刊アスキー」というパソコン雑誌の編集者を経て、フリーになり、リーマンショックと東日本大震災を経験して人とのつながり方を「浅く、広く、弱く」に変えたという。

そのことにより、組織特有の面倒臭さから解放され、世代を超えた面白い人たちと出会って世界が広がり、妻との関係も良好になり、小さいけど沢山の仕事が舞い込んできたのだ。
困難があっても「きっと誰かが少しだけでも助けてくれる」という安心感も手に入ったといい、精神的に楽になったのは大きいと思う。

年齢にこだわらず関係を築くというのはやはり世界が広がり刺激的だ。

また、佐々木氏は、現在東京・軽井沢・福井の3拠点で生活していて、人間関係が多層的に広がっていくところにおもしろさを感じているようである。

従来の人間関係は会社や学校、家族の中だけで形成される濃く、狭く、強いものだった。
働き方や暮らし方が多様化した今、人間関係の悩みで消耗している人にとって、息苦しさから解放されるための方法として、「広く弱くつながって生きる」である。

インターネットでは、現在の主流はSNSになり、善良な人とのやりとりを中心にすべきと佐々木氏は述べている。
なかでもフェイスブックをすすめていて、確かに透明性は担保できるが、私は個人情報を公開したくないのでツイッターで緩くつながりたいと思う。

そして、大きなプラスはないものの大きなマイナスもないという、振り幅が小さな人生が楽ではないかというのは、これは私も同意である。

最後にこの書を読んで、人間は支配的な関係ではなく、横一線に緩やかな関係がいいなと感じた。