本書では、世界最大の映像配信事業者であるネットフリックスに代表される、月額固定の料金による、見放題型の映像配信サービス「サブスクリプション型ビデオ・オン・デマンド」、通称SVODを切り口に、映像の見方の変化が、我々の生活にもたらす影響が考察されている。
現代社会において、お茶の間のテレビより、スマートフォンが身近な家電の時代になり、すべての情報の入り口になりはじめて、時間の利用方法が変わってきているというのは大きい。
第1章では、テレビメーカーがネットフリックスを重視する理由について、テレビ視聴におけるニーズの高さに加え、「4K」での映像配信の面で先端を走る存在でもあるという。
第2章では、日本のSVODとして「dTV」について書かれている。
ご存知、サービスを運営しているのはNTTドコモと、音楽・映像関連ビジネスを手がけるエイベックス・グループだ。
元となったのは、2009年5月にスタートした「BeeTV」で、オリジナル映像作品がほとんどだった。
しかし、ガラケーの画面の小ささから映像を見るには厳しいことから思うように普及せず、2011年11月には「dビデオ」として月額利用料500円(税別)のスマートフォン向けの映像見放題に舵を取る。
さらに2015年4月には、「dTV」に名称を変え、料金などはそのままでテレビを強く意識したものに刷新している。
リニューアルと同時にテレビに接続して使う専用の小型DMA「dTVターミナル」の販売を開始し、テレビでリラックスして視聴できる環境を広げていくことも、満足度の質の向上につながった。
本書のキーワードでもある「イッキ見」という気になる番組をまとめて見るライフスタイルについては、第3章で書かれている。
テクノロジーが時間と場所の制約を取り払う方向に進むいま、テレビが放送だけのものでなくなったことは大きい。
制作されたコンテンツはあらゆるメディアに広がり、人と接触する機会をうかがう時代に、柔軟な体制で臨むことが、SVODに代表される配信が当たり前になった状態であり、コンテンツ産業がめざすべきつぎのテーマと述べている。
いかに良いコンテンツを生み、そこから収益を得て、全体を活性化していくかが重要で、変化を積極的に受け入れてこそ良い結果が得られるのは他の分野も含めて何事もそうだなと思った。
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