著者の齋藤孝氏は、教育学者で明治大学文学部教授である。
また、著書も多数で、テレビ出演で知った人も多いだろう。
本書では、「語彙が豊富だと周りから一目置かれる」というばかりでなく、「語彙が豊かになれば、見える世界が変わる」という人生そのものが楽しくなるということを齋藤氏はいちばん伝えたいと述べている。
実際に人の話を聞いていて、教養は言葉の端々に表れるのを感じる。
インプットの王道は、「毎日の読書」だという。
本は語彙が豊富で表現力に長けた書き手が多く存在する。
知識としての語彙を得るだけでなく、書き手の思考や教養を反映する質の高い文章、リズムや言い回しまで含めたハイレベルな文章を求めるのであれば、本に勝るメディアはないのはよくわかる。
また、インターネットは現代人必須の語彙収集所として、文字どおり「情報のシャワー」を浴びることの場であり、齋藤氏はとにかく「検索、検索、また検索」を繰り返すようにしているという。
自分が調べた分だけ、求めている答えが表示されるのが、インターネットの醍醐味なのは確かだ。
ウェブ上にはデジタルの百科辞典もあるから、気になった言葉の定義や由来、その語法について正確に知ることができる。
その上で、ファクトから学問としての考察、個人の考察、感想まで、あまねく材料が用意されている教養の玉手箱であり、今後もしっかり活用していきたい。
次にアウトプットのほうだが、二種類あるという。
ひとつめは「定着のためのアウトプット」。
インプットしたての言葉を口に出し、手を動かし、ときには芝居がかかった演技で表現することで、言葉を頭に定着させるアウトプットになる。
使えるか使えないかあいまいな状態から「いつでも使える語彙」に進化させるための、いわば「練習アウトプット」だそうだ。
もうひとつは、「実践で使うアウトプット」で、シチュエーションにあった的確な言葉を瞬時に語彙のストックから取り出す、「本番アウトプット」になる。
最後に本書を読んで、日々好奇心を持って言葉と向き合い、自分の世界を広げられたらいいなと思った。
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