著者の吉田尚記氏はニッポン放送のアナウンサーである。
この書は、吉田氏が実体験から得た、ツイッターを具体的に理解し、楽しく使うための知恵を集めた書になっている。
実際にラジオの生放送で、ツイッターのハッシュタグを使った投稿との連動は盛り上がる。
「ツイッターって文字のラジオなんだ!」ということに多くの人が気づかされたはずだ。
吉田氏はツイートについては、「内容はたいしたことがなくとも、とにかく常日頃からつぶやいていることが大切」と述べている。
スモールコミュニケーションの積み重ねが「いざ」というときのツイートに対する説得力を生むからだそうだ。
それ以前に、「ひと事もつぶやかなければ、誰も存在に気づいてくれない」のは当たり前である。
そして自分で思いついた言葉を、誰かがよく覚えていることは、いわば自分の思考そのものを誰か他人によってクラウド化してもらっているような感覚があるという。
140文字にぎゅっと言いたいことを凝縮・要約することで、「ひとくちサイズ」の良さができ、「ひとつのツイートにひとつの要素(話題)のみを入れる」という部分は参考になった。
機嫌が悪い時はつぶやかないというのは基本だろう。
またツイッターは、「ウケたい!」という気持ちを常に自然と誘発させるシステムというのは、ツイッターをやっている者なら誰しも感じていることだろう。
裏を返せば「聴いてくれている・読んでくれている人を意識している」ことなので、ツイッターで何をツイートするかを考えている時に、頭の片隅がなんとなく大喜利っぽい気分になったりするのはそのせいという。
結果的にウケないかもしれないけれど、他人が見てくれていることを自然と意識してつぶやくようになるのは、プライベートなようで世界とつながっている「ラジオ的」なあり方であるというのはわかる気がする。
ローコストがもたらす可能性という意味でも、ラジオとツイッターはよく似ているのもまさにそうだと思った。
アイディアと機動力を活かして、今後も親和性の高いツールとして共に発展していってほしい。
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