著者の松浦弥太郎氏は、「暮しの手帖」編集長である。
本書では自分のセンスをよくするためには、まずは、今の自分のセンスに向きあうことだという。
心を開くことがセンスのよさへの最初の一歩、外に出かけてみたり、人と会ってすなおに話を聞いたり、心の窓を開けてみるように意識してみる、それだけでもずいぶん違ってくるのだそうだ。
心が揺さぶられた経験は、きちんと心のなかに蓄積されるもので、とても大事なものだということ。
ただ注意しなければならないのは、人と向き合っているときも、物を見ているときも、自分に許されているスペースを越えないということなので、定量を守りたい。
センスのいい人をめざすなら、おしゃれになろうとするのではなく、好印象をもってもらうために清潔になろうとするほうがいいとあり、それはその通りだと思う。
別にブランドもので固めなくても、清潔感があって小綺麗なのは印象がいい。
ほかにも、食わず嫌いというのは本当によくないことなので、すすめられたことは試してみるや、人から見ればあなたらしくない、という場所があれば敢えて行くこともセンスを磨くには大事とある。
しかし、これらは本当に勇気のいること。
時には冒険も必要なのだと思った。
また、自分が知らないことは、この人と思える人に聞くのがおすすめとあり、その分野に長けている人に聞いて、本物のよいものを知ることができるチャンスでもあるね。
逆に、失敗の経験というのはとても重要で、失敗がないといいものはわからないそうだ。
確かに買い物でもなんでも失敗は次につながる何らかの肥やしになっているはずだ。
そして、センスは外面だけでなく、内面、いわゆる考え方そのものにもあらわれるもの。
人が何かを考える過程のなかで、書くという作業はとても大事で、考えることができる人は、間違いなく魅力のある人で、センスのいい人ということは、順序立てて自分のことを整理できている人なのだなぁと。
日常のなかで、なるべくいいものに触れる努力はするというのは意識したい。
最後に「結局、センスのよさとは、生きていくことすべて。」という著者の言葉が全てで、生き方そのものにセンスが問われているんだと思った。
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