著者の村井純氏は日本の計算機科学者で工学博士である。
本書は全6章で構成されている。
第1章ではデジタル化により変革が進むテレビとメディアを、第2章では携帯電話をはじめとした「移動するライフスタイル」を支える電波の技術を取り上げている。
インターネットを基盤にした情報化がどのように進んでいるかが将来像を含めて書かれていて勉強になった。
ターゲットマーケティングという手法により、ユーザーが興味を持ちそうな広告をダイナミックに表示して、直接購買に結びつくというインターネット広告の有効性を強く感じる。
第3章では、インフラとしての発展を、光ファイバーの役割を中心に技術の面から紹介されている。
第4章では、グローバルな空間を支えるインターネットの信頼性や安全性について述べられている。
とくに、個人情報の流出やプライバシーの侵害、著作権侵害など、ともすれば「インターネットの問題」として語られがちな問題について、本質が整理されていた。
第5章では、新しく成立したグローバル空間を私たちはどのように運営していったらよいのかというグローバル・ガバナンスについて述べられている。
第6章では、インターネットの普及期を経て、折り返し地点から未来へ向かって拓かれる社会と日本の役割について述べられている。
個人的にはインターネットによるコミュニケーションの多様性や新たな創造性を大いに感じるところだ。
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