本書は「現代ビジネス」主催のシンポジウム「ポストグローバル社会と日本の未来」第1回~第4回の内容が書かれたものである。
内田樹・中島岳志・平松邦夫・イケダハヤト・小田嶋隆・高木新平・平川克美と7人の論客が登場している。
とくに印象に残っているのは第1回の終盤に語られた内田樹氏の言葉。
「今はありとあらゆる場面で、ただ1つの物差しを当てがって、「このラインから下のやつは消えろ」という切り捨てる言葉ばかりでしょう。そういう格付けや競争のせいで、みんな底意地が悪くなっている。だから、僕自身も、こういうところで発言する時には自戒しなきゃいけないなって(笑)。底意地の悪い言葉って、自分が向けられているわけじゃなくても、横にいてその言葉を聞かされているうちに、弱い酸に侵されるように、生きる意欲と希望がだんだん失われていくんですよ。」
これは減退していくばかりで恐ろしいなと思った。
それから、第2回のイケダハヤト氏と高木新平氏が参加した回がおもしろかった。
2人ともお金をかけずに生活をしていくという点では一致している。
イケダハヤト氏はテクノロジーの力の可能性を見出し、世の中の仕組みをよくしようと動いている。
高木新平氏はシェアハウスなど昔ながらの共同生活で人と人のつながりを大事にすることをされている。
2人とも20代で同じ早稲田大学出身(イケダ氏のほうが1つ年上)で、デジタルとアナログと対照的な手法をとっているものの、社会をよくしようと声をあげていることは素晴らしい。
何もしなかったら何も変わらないと思ってるんじゃないかな。
本書を一通り読んでみて、世代を超えて多くの人が語り合う場所が必要だと感じた。
そこに新しい発見があったり、お互いの足りない部分を補完し合うことも可能だから。
Amazon
![]() |