家電総合アドバイザー、フリーライターという肩書を持つ福多利夫氏の著書である。
これからスマートフォンを手にしようとしている人にも非常にわかりやすく書いていると思う。
現状から今日に至るまでの歴史的背景も書かれているので整理しやすいだろう。

福多氏は、スマートフォンとはどんなケータイなのかを次のように定義している。
・OSとアプリケーションが明確に分離された構造を持っており、単独でインターネットに接続できる多機能ケータイ
・音声通話機能もある
・アプリケーションの追加により機能を追加できる
・パソコンとの連携も可能
・一般的なケータイより解像度が高くサイズが大きい画面と、操作しやすい日本語入力環境を装備している


そして、アイフォーンが採用した「マルチタッチ」という操作方法は、人々を魅了し、一種の「スマートフォンにおけるスタンダード」を作ったともいえると述べている。

アップルの垂直統合戦略については、ブランドとカリスマ性を維持するために、ハードウェアからコンテンツまでアップルが管理・干渉できるシステムが必要ということで展開されている。
直接的に利益を上げる効果は確かに強力だ。
ちなみに有料アプリケーションの場合、売り上げの3割は手数料・ホスティング料としてアップルの取り分となるそうだ。
アップストアは、膨大なエンターテインメント系のアプリケーションが魅力で、一般ユーザーにとってスマートフォンを魅力的に見せた最大の要因は、「面白そう」というイメージが大きかった。

対するアンドロイドは、OS、ハードウェア、キャリア、アプリケーション、コンテンツといったスマートフォンを構成する要素が、それぞれ異なる企業や個人によって作られている水平分業戦略と捉えられている。
グーグルが広告料金を収益の中心としているため、自社のサービスを利用する人を増やす狙いがあるのがよくわかる。
アンドロイドは、ハードウェアに対する自由度が大きいのに加え、ソフトウェアに対する自由度も大きい特徴がある。
統一したOSを使っていても、基本的操作でさえ機種によってそれなりに違いがあるということ。

PC派はアイフォーン、ケータイ派はアンドロイドという表現の仕方も面白い。
アップル社の提案力、アンドロイドの自由度と共に良さはある。
個人的にはスマートフォン時代に入るとはいえガラケーも共に繁栄し続けてほしい。