本日付けのNTTドコモ公式サイトの報道発表資料によると、ドコモは、9,000万を超えるユーザーが利用するモバイル音声サービスおよびモバイルデータ通信サービスの提供基盤であるモバイルコアネットワークについて、2026年3月末までに実施したネットワーク設備の切り替えおよび第3世代移動通信方式(3G)のサービス終了に伴い、完全仮想化を完了したことを発表している。
これにより、ドコモのコアネットワークは、従来の専用ハードウェアに依存した構成から、汎用的なサーバ上でソフトウェアとして機能を実装する構成へと移行し、より柔軟で安定性が高く、かつ省コストの通信基盤へと進化する。
<概要図>

■完全仮想化の概要
仮想化とは、コアネットワークを構成する各種機能を、専用装置ではなく汎用的なサーバ上に仮想化レイヤ(ハイパーバイザやコンテナ仮想化)を導入し、ソフトウェアとして動作させることになる。
完全仮想化とは、ネットワークを構成する全ての装置を仮想化することで、ネットワーク全体を柔軟に制御・運用可能とする仕組みで、これにより、設備構成の変更や機能配置の最適化をソフトウェア制御で行うことが可能となる。
■効果
ドコモのコアネットワークを完全仮想化することで、物理的な制約を受けにくい柔軟性の高い構成へと進化する。
【通信の信頼性向上】
設備障害が発生した場合でも、ネットワークを構成するソフトウェアやハードウェアの異常を自動的に検知し、別の健全な仮想リソース上で機能を再起動・再構成するオートヒーリング(ネットワークを構成するソフトウェアの異常やハードウェアの故障をシステムが自動的に検知し、人手を介さずに、別の健全な仮想リソース上で機能を即座に再起動・再構成する技術)がコアネットワーク全域で即時に実行される。
これにより、片系運用となる期間が短縮され、安定した通信サービスの提供に寄与する。
【設備容量拡大の迅速性向上】
汎用的なハードウェアを複数のシステムで共有し、統合基盤のリソースプールから空いているリソースを機動的に活用することが可能となる。
これにより、新サービス開始時やトラフィック増加時に必要となる設備容量の確保に要する期間を短縮できる。
また、自然災害などの発生に対して、ネットワーク設備の容量を自動的に拡張し、つながりやすさの向上を実現するオートスケーリング機能も可能になる。
【運用効率と環境負荷の改善】
汎用サーバの集約利用や最新のハードウェアを利用することで、設備設置スペースの削減や消費電力の削減が可能となり、運用効率の向上と環境負荷低減の両立に寄与する。
■パートナーとの連携
本完全仮想化の実現にあたっては、ETSI NFVや3GPPにおける国際標準化活動の推進や、仮想化技術の適用範囲拡大を、シスコシステムズ、デル・テクノロジーズ、日本電気(NEC)、エリクソン・ジャパンをはじめとするパートナー各社との協力により進めてきた。
■今後の展開
ドコモは今後も設備構築の自動化や運用の省力化、設備コストの低減に最新のクラウド技術を活用するとともに、オンプレミスに加えてパブリッククラウドも活用したハイブリッド構成のコアネットワーク構築を推進する。
これにより、よりモバイル通信サービスの基盤であるネットワークの更なる高度化・最適化を進め、ユーザーによりあんしんして便利に利用できる通信環境を提供し続けていく。
参照URL https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2026/04/02_00.html