著者のマクリン氏とサンツォ氏は人気ブロガーで、本書はゼロからわかるブログ運営×マネタイズ本となっている。
384ページにわたる分厚い本で、それだけ実例を交えながら丁寧に解説がなされており、ボリュームの割にはカラーも含めて見やすい。
まずWebライティングとは、記事を読みやすい形にパッケージし、検索エンジンから評価してもらいやすいように最適化するスキルを総称して呼ぶ。
次に本書の概略を紹介する。
STEP 1:検索エンジンと読者双方にわかりやすい文章のコツと実例
STEP 2:検索エンジンから正しい評価を受けるための手法
STEP 3:昨今のSEOで最重要ともいわれるE-A-Tの高め方
STEP 4:記事を書いた後に大事になる文章の練り直し・修正ポイント
STEP 5:サイトをマネタイズするために押さえるべきポイントや収益性を高める実践術
結局、記事を読む先に「人」がいることをどれだけ意識して書けるかに尽きると思う。
Web文章というのは、読者が気になるところだけ見て読み飛ばす前提で、見やすいようにレイアウトする心がけが大事というのはよくわかる。
画像、図解、イラストを入れる施策が必要になってくるのだ。
本書では読者にとって読みやすい、テンポの良い文章を作るコツについても解説されている。
漢字・ひらがな・カタカナの黄金比は「2:7:1」なのは知らなかった。
箇条書きを適度なタイミングで挟むことにより、見せ方にメリハリをつけ、読み手の集中力を保つことができるというのは確かにあるなと思った。
読者目線で言えば、記事のなるべく冒頭で検索意図に応えることが必要なのもわかる。
また、読まれるかどうかは記事のタイトル次第なのはよく言われることだ。
そのために読者の目を引く魅力的なタイトルをつけること、タイトルに具体的な数字を入れることで頭のなかを想像しやすくするなど、工夫が求められる。
Webサイトの評価を高めるために欠かせないのは、やはり自サイトと関連性の深い被リンクを増やすことになる。
新規記事を書く以外にも、過去記事をリライトするメリットについて次の5つの効果と目的が記されていた。
・情報のフレッシュネスを保つ
・ユーザビリティが向上する
・低品質コンテンツを減らす
・CVR(コンバージョン率)を高め、収益性を高める
実際に文章から商品を売るには、商品のスペックをいくら詳しく書いても売れないという。
商品を売るには、その商品を手に入れることで手に入る「具体的なメリット」や「明るい未来」を想像してもらわなければならないのだ。
・売れる文章を作るには「心を動かすストーリー」「リアリティのある体験談」が必要。
本書を一通り読んでみて正直レベルが高かった。
SEOに関する様々な検証を行う著者2人の研究心、手間暇かけた施策の実行はさすがだ。
百科事典並みの緻密さと言えよう。
ブログ運営の体験談がコラムになっていたのも興味深く読めた。
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