本日付けのNTTドコモ公式サイトの報道発表資料によると、日本電信電話(NTT)とNTTドコモと日本電気株式会社(NEC)は、28GHz帯を用いた分散MIMO(Multi-Input Multi-Outputの略称で、1つの基地局から多数のアンテナをエリア内に分散して配置し、それら分散アンテナとエリア内の移動端末との間でMIMO伝送を行う技術)において、エリア内の無線伝搬状況や移動端末の位置などの環境情報をシステム自身が把握し、環境に応じて基地局の分散アンテナを動的に切り替える技術の実証実験を実施し、世界で初めて成功した。

分散MIMOシステムが環境把握し、動的に分散アンテナを選択する技術

これにより、ショッピングモールや工場など多数の遮蔽物がある環境でも、高周波数帯無線を、安定した大容量無線伝送に活用できる可能性を示した。

また、分散MIMOを用いて遮蔽物の位置を検出する無線センシング技術や、分散MIMOの広エリア化を実現する、次世代ICTコミュニケーション基盤の構想であるIOWN(Innovative Optical and Wireless Networkの略称で、IOWN Global Forumにて推進中の次世代コミュニケーション基盤の構想)の光無線融合技術の一つであるA-RoF(Analog Radio over Fiberの略称で、無線信号をアナログ信号のまま光回線により伝送する技術)伝送技術の基礎実証も行った。

今後は、28GHz帯よりもさらに高い周波数帯での実証や、人体など遮蔽物が変動する環境など、分散MIMOの適用周波数とユースケースの拡大に向けて、実証実験を進めていくという。

なお、本技術については2022年11月16日(水曜)~18日(金曜)にオンラインで開催予定の「NTT R&Dフォーラム Road to IOWN 2022」にて紹介する。


参照URL https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2022/10/31_01.html